「紅旗征戎は吾が事にあらず」は無関心にあらず。

庭のコナラ前のラレーCRF

庭のコナラ前のラレーCRF

  サイクリングに行って大樹の前で撮影、と、言いたいところだが、これは嘘。せめてロードバイクに乗った気になろうと、自宅の庭に植えた小楢のまえにRaleigh CRFを停めて撮影したもの。

 レンズは今後のメインレンズにしようと思っているVoigtländer58mmF1.4。カメラは愛用のNikon Df。風を切ってロードバイクに乗ってみたいが、新型コロナウイルス拡散予防のために外出は控えて、こんな遊びで気分を紛らしています。

紅旗征戎は吾が事にあらず。

(朝廷の旗(紅旗)をおしたてて、外敵を征圧する(征戎)戦争は私には関係ない)

と日記に記した人物がいます。鎌倉時代の歌人、藤原定家です。19歳の時、源頼朝が挙兵した年の日記「明月記」にあり、そのまま読むと世の中で起こっていることへの無関心と思えますが、そうではないような気がしまう。

 「源氏と平家が大儀をかざして争っている、だがしかし、私は和歌の道を極めていくのだから、私はずっと先、和歌の完成を目指す。」
という想いだと思う。6年後には

見わたせば花も紅葉もなかりけり裏のとまやの秋の夕暮れ

と歌っています。

 この歌は新古今和歌集にも選ばれ、三夕の歌のひとつで、後の侘び寂びといった茶道にも影響したと言われています。私自身も良く口ずさむ和歌です。周りに無関心な人がこんな歌は読めないでしょう。無関心どころか誰よりも心を痛めていたのではと思います。無関心からは何も生まれないではいか。藤原定家のこんな歌も思い出しました。

春の夜の夢の浮橋とだえして峰にわかるる横雲の空

 

   (今日の写真データ)
   (Nikon Df Voigtländer58mm 1:1.4 ; F2 1/3200 ISO320

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