これもロードバイクでの小さな旅、それでは大げさだから遠足かな。その遠足で撮った水路。
月に一度は、車で最徐行で通るのだが、気になっていたので自転車で走った。
見沼代用水から分かれた水路だと思われる。見沼代用水は、利根川から引いて、行田市、加須市、さいたま市を流れ、私の住んでいる足立区伊興まで至り、最終的に中川に通ずる長い水路だ。
この水路の支流が、カーブするところが気になってラレーCRFを止めて撮った。大きな樹木とカーブの加減がとても自然だからだろうか。いつもうろうろしているところだけれども、自転車に乗って出るとなぜだか小さい旅行に思えてしまう。
車とも違う散歩とも違う。不思議だ。
旅行といえば、今でもあるのか知らないが、深夜の12時頃に東京駅から大垣駅へ行く東海道線の夜行列車があった。堅くて垂直にたっている背もたれの対面の座席だったな。
もう35年位前かな、この列車に東海道の真ん中の名古屋の手前、豊橋で乗車した。そのときは朝の5時頃だったと思う。
車中で、斎藤茂吉著 「万葉秀歌〈上巻〉」 (岩波新書) を読んでいた。
淡海の海夕波千鳥汝が泣けば心もしぬにいにしへ思ほゆ
巻三 二六六 柿ノ本人麻呂
田子の浦ゆうち出でて見れば真白にぞ不尽の高嶺に雪は降りける
巻三 三一八 山部赤人斎藤茂吉著 「万葉秀歌〈上巻〉」 (岩波新書) P132、136より)
淡々と万葉集の歌を紹介し、斎藤茂吉が解説したもので、特段の力説や感情も見られない本だ。
それでも、感激したのだった。そのとき読んだ歌の情景が浮かんできて、情け深く感じた。
歌の内容を記憶していないけれども、そのときの感動だけ、覚えている。
(今日の写真データ)
(Nikon Df Ai Nikkor35mm S 1:2 ; F111/400 ISO200)
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