ロードバイクで走って見た普段は意識していない屋敷林をみて『月の満ち欠け』を読もうと思った。

屋敷林とラレーCRF

屋敷林とラレーCRF

 車を運転していて気になっていた屋敷林まで、自転車を走らせて、つい最近撮った写真。遠くまで行ったのではなく、直ぐ近く、4kmくらいかな。

 目の前のものを撮っただけ、手前の自転車と比べて、その大きさだけは写し撮りたかった。珍しい景色でもなく、少し注意すればまだまだあるように思う。けれども、どこにあるだろうかと、問われると、はっきりとは答えられない。

 いい加減に見ている。この景色は日常にすり込まれたものなので、意識から外れている。こんな理由からだろうか。

 ほとんど意識をしていないが、気になる本ってあると思う。 その中の一つ、書店の店頭に積んであり衝動的に買った、佐藤正午作 『月の満ち欠け』 岩波文庫的、を読んだ。

 

 

 恋愛小説かもしれない。違うかもしれない。

 

あたしは、月のように死んで、生まれ変わる

彼女は心底喜んでくれていたのかもしれない。本気で探しまわってくれたのかもしれない。いまだかつてない大きな出来事だったかもしれない。そこで待つ不幸のシナリオを頭に描きつくしていたのかもしれない。ただこちらはぼんやり恋にうつつをぬかすだけできづかなかったかもしれない。今生で最後の本気を出して、月のように死んでしまったのかもしれない。

かもしれないばかりで真偽は確かめようがない。真偽を確かめるためには直接、瑠璃さんの口から語ってもらうしかない。新月のように生まれ変わり、もういちど、別人として自分の前に現れるはずの瑠璃さんの口から、いつの日か。

    佐藤正午作 『月の満ち欠け』 岩波文庫的 P191〜196)

 

 引用だけにしとこうと思う。もっとたって、また読んだときに読後感を書こうと思う。というか、今は書けない。

 そこを書くのが近代人の論理だろうが、論理だけで説明できない、いえ私には今のところ表現できない。昨日読み終えたのだが、心が膨れて壊れそうで、響いて壊れそうで、いや待てそんなこといったって理屈ではあり得ない。

 ということでまた今度にします。

 

  •  (今日の写真データ)
  •  (Nikon Df Ai Nikkor35mm 1:2 ; F8.0 1/160 ISO200)

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