ロードバイクでいつものように走れない。急がずとも良かろう。

勢いよく走れないこの頃のロードバイク・ラレーCRF

勢いよく走れないこの頃のロードバイク・ラレーCRF

 緊急事態宣言が解除されて数日がたつ。だから以前の生活に近づける。直ぐに元の生活に戻れるとおもっていた。でも違っていた。

 私の体のサイクルがどうも違っている。止まっている感じがする。勢いよくロードバイクにまたがれない、スピードを出し切れない。

 もともとガンガン攻めていないので、よっぽどゆっくりになっているようである。それでもフロントバッグにカメラを突っ込んで近くをふらふらしてみる。

 ついでに書店へ行った。

 目についた水上勉著 『般若心経を読む』中公文庫 を購入。

 明るいうちにお風呂を沸かし、湯船につかりながら読書。

 水上氏の次女は歩くことができない。その娘さんが小学生のときに健常な子らと山に写生に行ったときのことだそうだ。

 

娘は歩けぬから、ひととこにじっとしていて、描いたのは一個の足もとの花だった。
   中略
娘は、足もとの一輪の花に、その山河を持ち込んだのである。
   中略
山や川が広々とひらけているのに足もとの花一輪に、その山河をとじこめる精神を我々はもっている。とすると、そこにあるものとか、ないものかということは、はなはだ実証性を失ってくるではないか。
(水上勉著 「般若心経」を読む 中公文庫 P53〜55より)

 

 我々には精神なるものがある。同時に体もある。声も出す。欲もある。
そこで「般若心経」なのだが、水上氏の娘さんの話でわかったつもりになる。
 急がずとも良かろう。

 

   (今日の写真データ)
   (Nikon Df Voigtländer58mm 1:1.4 ; F8 1/125 ISO800)

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